入力電圧を高めた開発用インバーターを発表 ヘッドスプリング

電源装置の製造、販売を手掛けるヘッドスプリングは2025年1月31日、研究開発、試作開発用の「18kVA SiC三相インバータ」を発表した。海外のAC400V系の電力系統や定格400Vモーターの試験にも使えるよう最大DC800Vの高電圧にも対応できるようにした。同年2月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催される「BATTERY JAPAN 二次電池展」に出展する。

近年、世界的に地球温暖化対策や脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでおり、パワーエレクトロニクス機器の開発需要も高まっている。このため、同社では日本国内だけでなく海外での採用を目指して、入力電圧をDC800Vまで高めたインバーターの開発に取り組んだ。

「18kVA SiC三相インバータ」は、同社のbiRAPIDシリーズのコントローラーやセンサーなどとの組み合わせが可能で、誘導モーター(IM)や永久磁石同期モーター(PMSM)のドライバーとして利用できる。太陽電池や蓄電池など直流電力源を系統連系させるパワーコンディショナー(PCS)の構築にも使え、DCDCコンバーター(チョッパー回路)としても使用できる。

さらに、入力電圧センサーと出力電流センサーを標準搭載しているため、追加のセンサー回路が不要で、本体とコントローラーだけで動作できる。

また、最新世代のSiCパワーデバイスの採用で小型、軽量化を実現した。サイズは252×167×104.8mmで、卓上でも使用できる。筐体内への組み込みも容易で、製品の組み込みコンポーネントとしても使える。

開発時のトラブルやミスに備え、電流保護、過電圧保護、短絡(DESAT)保護機能も搭載している。異常が発生すれば、即座に検知して数μs以内に動作を停止。機器の破損を防ぐ。

同社はbiRAPID製品を組み合わせたセット商品を活用することで、実験環境を即座に構築でき、開発期間を短期化できるとしている。

関連情報

半導体の未来を支える先端技術、新製品「18kVA SiC三相インバータ」 | ヘッドスプリング株式会社のプレスリリース

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