燃料電池を使いやすくーー4サイクルエンジンを利用してメタンから水素を生むモジュールを開発

ジョージア工科大学の研究チームは、1世紀にわたる長い歴史を持つ4サイクルエンジンの機構を利用して、メタンから水素を作り出し二酸化炭素を固定貯蔵できるメタン改質モジュールを開発した。同モジュールはエネルギーが実際に消費される地点で、メタンから必要な量の水素を製造して燃料電池にも供給できる。そのため、水素エネルギーをもっと利用しやすくなるかもしれない。

研究チームは今回、4サイクルエンジンの機構に触媒と水素分離メンブレン膜のほか、二酸化炭素吸収剤を付加。CHAMP(CO2/H2 Active Membrane Piston)反応炉というメタン改質モジュールを作製した。研究チームによると、同技術の反応プロセスの核心は、シリンダーの中でピストンが上下すると反応体積が変化することにあるという。

CHAMPではピストンが下降するに従って、メタンと水蒸気がバルブを通してシリンダーに導入され、ピストンがシリンダーの底部に達するとバルブが閉じる。次にピストンが上昇すると、メタンと水蒸気が加圧され、約400℃に達するとシリンダー内部で触媒反応が生じ、水素と二酸化炭素に改質される。水素は選択性メンブレンを通して分離され、加圧された二酸化炭素は吸収剤に吸着される。その後のピストンの下降と上昇により、水素の回収と二酸化炭素の濃縮排出が行われる。

CHAMPの特徴の1つは、約900℃を要する従来の改質プロセスよりも非常に低い約400℃で作動できることだ。二酸化炭素は濃縮されて炉外に排出され、固定貯蔵または有効活用される。しかも、1分間に数千回と回転する従来のエンジンと異なり、この装置は反応炉の大きさと水素製造規模に応じて、1分間に数回のみ、またはもっと遅く回転するだけで機能する。

2008年からCHAMPについて研究しているAndrei Fedorov教授は、「量産規模の水素製造プロセスでは、製造された水素を消費地点まで輸送する必要がある。一方、天然ガス(メタン)の供給インフラはすでに広く存在するので、CHAMPを使えばどこでも必要に応じて水素を製造できる」と語る。

また、「CHAMPシステムは、標準的な自動車用の水素補給ステーションに必要な数百kgの水素を製造できるようにスケールアップすることが可能だ。自家用車や住宅用燃料電池に十分な数kgの水素を製造できるようにスケールダウンすることもできる。今後の課題は主に経済性の面にある。次のステップはパイロット規模のCHAMP反応炉の建設だ」と展望を話している。

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Four-Stroke Engine Cycle Produces Hydrogen from Methane and Captures CO2

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