米空軍、航空爆弾を使った協調型兵器の飛行実証を実施

アメリカ空軍は2021年1月7日、航空爆弾を使った協調型兵器(collaborative weapon)の最初の飛行実証を行ったことを明らかにした。

この飛行実証は、空軍の新たな兵器システムと戦闘の概念の進化を目的とした「Vanguard」プログラムの1つで、戦闘機に対するネットワーク化された兵器協調能力ミッションの有効性を実証する「Golden Horde」計画で行われたものだ。実証試験では、空軍の小直径爆弾(SDB)に協調機能を付加した協調型小直径爆弾(CSDB)が使われた。SDBは航空機から投下後、GPSとシーカー(目標捜索装置)によって、設定された目標に向かって誘導される滑空式スマート爆弾だ。

2020年12月15日に実施された飛行実証では、F-16戦闘機から投下された2つのCSDBは直ちに相互通信を確立し、シーカーがGPSジャマーを検出した。2つのCSDBは事前に定義された交戦規定と作戦計画者によって事前にロードされた一連の制限事項に基づき、ジャマーが最優先のターゲットではないと判断した。その後、2つのCSDBは協調して最も優先度の高い目標を特定したが、兵器ソフトウェアの読み込みが不適切であったため、協調誘導指令がCSDBに送信されなかった。目標が更新されなかったため、CSDBは保安標的区域(failsafe target location)に着弾した。

Golden Hordeの主任研究者であるSteven Stockbridge氏は、「この最初のテスト結果には非常に満足している。チームは、ネットワーク化された協調サブシステムの優れた性能を確認すると共に、目標に着弾しなかった根本的な原因が理解できた。我々は次の飛行テストの用意ができていると思う」と述べている。Golden Hordeでは協調型兵器の数を4つに増やし、更に2回の飛行実証が2021年始めに実施される予定だ。

関連リンク

AFRL demonstrates first collaborative weapon technologies

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る