東芝は2017年4月20日、東武鉄道の新型特急車両500系「Revaty(リバティ)」に、全閉式の永久磁石同期電動機(PMSM)とVVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システムを納入したと発表した。同システムを導入することで、モーターの騒音や車両全体の消費電力を抑えられるという。
鉄道車両用駆動システムとしては、主に誘導電動機(IM)が使われている。東芝はIMよりも消費電力を抑えられるようにしようと、PMSMを2006年に実用化。エネルギー変換効率の高い技術を採用したことで、IMシステムと比較して消費電力を39%削減した。全閉構造にしたことでIMシステムより約12dBもモーターの騒音を抑えられ、分解清掃も不要になるためメンテナンスを簡素化できるという利点もある。
VVVFインバータ装置は、1台の冷却器に4つのインバータ回路を配置し、小型化・軽量化を図った。この全閉式PMSMとVVVFインバータ装置を組み合わせることで加速時の消費電力を削減するとともに、独自の制御方法でブレーキ時に発生する回生電力量を増加させ、車両全体の消費電力を削減できるとしている。
同システムを搭載したRevatyは、東武鉄道が26年ぶりに導入する新型特急車両。4月21日から運用開始する予定だ。