ソウル半導体、太陽光のスペクトルにほぼ一致した光を発するLED技術を開発

ソウル半導体は2017年6月26日、ドイツ・フランクフルトで開催された新技術説明会に参加し、東芝マテリアルとLED技術の「サンライク(SunLike)」シリーズを共同開発したと発表した。サンライクによるLEDは、太陽光のスペクトルにほぼ完全に一致した光を発するという。

白色LEDは、低コストで高効率なため世界中で急速に普及。しかし、従来のLEDが放つ光は、太陽光とは異なる特性を持つ。例えば、一般的なLEDに使われている青色LEDの光は、青の波長のスパイクを含んでおり、人間の体内時計に干渉することがあるという。また、人間の網膜細胞は、赤・緑・青の錐体細胞で構成されているが、青の受容体の割合はわずか5.7%で受容可能な青い光の量は限られる。そのため、青い光が限度を超えて目に入ってくると、その光は散乱し、物体の質感と色は歪められ、さらには、目の疲れや注意力喪失などを引き起こすことがあるという。

一方、サンライクでは紫色LEDを採用。東芝マテリアルのTRI-R蛍光体技術と組み合わせて、ブルーライトのスパイクを最小化している。また、自然光の中での物体の質感と色を正確に再現しているため、ミラノコレクションや美術館の絵画の照明などに採用されているという。さらに、植物育成の分野にも応用可能で、理想的な植物育成環境を作り出せると説明している。

ソウル半導体は今後、百貨店や、宝石店など、色彩が重要視される製品を扱う商業施設や、植物を屋内で育成するための植物工場、美術館や展示会などの展示施設、試着室や化粧室など美容関連施設などで応用されると見込む。また最終的には、一般照明市場にまで採用が進むと予想している。

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