エスアイアイと東北大、シリコンを使ったUVセンサ用フォトダイオードの量産化技術を開発

セイコーインスツルの子会社エスアイアイ・セミコンダクタは2017年3月27日、東北大学大学院工学研究科の須川成利教授らの研究グループと共同で、ウェアラブル端末・IoT向けのシリコンを使った紫外線(UV)センサの量産化技術を開発したと発表した。

今回開発されたのは、UV-AからUV-Bの波長帯を効率よく受光するセンサを、同社の自社ファブ(前工程)で製造する技術だ。シミやしわの原因となるUV-A(315〜400nm)から、日焼けの原因となるUV-B(280〜315nm)までを、汎用性が高いシリコン半導体で計測可能にする。

従来、シリコンフォトダイオードで可視光をカットする場合は専用フィルターで可視光成分をカットし、UV-A,UV-Bの波長帯を測定していた。一方、今回開発された技術では、高感度と低感度の2つのフォトダイオードを用いてその差分を取得する。これにより、フィルターなしで可視光領域をカットしUV波長帯で感度を際立たせている。

フィルターをなくしたことにより、透過率の低下を防ぐことができる。また、表面実装タイプの小型の透明樹脂パッケージを使用したことで、スマートフォンやウエアラブル端末での使用が可能になった。さらに、実装の制約も少なく、デザインの自由度が向上している。

近年、ヘルスケア分野で日焼けやシミなどの予防に関する関心が高まり、スマートフォンやウエアラブル機器などで見えない紫外線を計測するニーズが高まってきているという。同社では、将来的には周辺部品を取り込んだ製品をラインナップし、ウエアラブル市場、IoT市場などでの実用化を目指すとしている。

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