- 2018-4-25
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- EEPROM, FRAM, MB85RS64TU, 富士通セミコンダクター
富士通セミコンダクターは2018年4月24日、-55℃の低温環境下においても動作が保証される64KビットFRAM(強誘電体メモリー)「MB85RS64TU」を開発し、量産品の提供を始めると発表した。極寒地域での天然ガスやオイルの発掘に使われるフィールド装置などの産業機械の他、一般的な計測機器、流量計、ロボットなどにも利用できるという。
同社の不揮発性メモリーFRAMの書き換え保証回数は10兆回で、同じ不揮発メモリーEEPROMの約1000万倍になる。このため、リアルタイムでのデータ記録や位置情報記憶など、頻繁なデータ書換えが必要な産業用アプリケーションなどに使用されている。
MB85RS64TUは、極寒地域の屋外で使用する機械向けに、低温で動作するメモリーを開発して欲しい、という顧客の要望から生まれたもので、動作温度範囲を-55℃まで引き下げている。動作温度範囲の上限は85℃で、動作電圧範囲は1.8~3.6V。また、最大10MHzで動作するSPIインターフェースをもつ。
パッケージは、EEPROMと置き換え可能な8ピンSOPに加えて、リード無しの小型パッケージ8ピンSONがある。SON品はSOP品と比較して、面積比で約30%、実装体積比で約13%小さい。このため、基板の小型化が期待できる。
同社は昨年、動作温度の高温側を拡張し125℃まで対応するFRAM製品を発表。そして、今回は低温側の拡張に成功した。