- 2018-6-15
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- Cheng Zhang, FingerPing, ウェアラブルデバイス, 米ジョージア工科大学, 音響チャープ信号
米ジョージア工科大学の研究チームは、親指にはめたリングと手首のリストバンドを使って手話を読みとれるウェアラブルデバイス「FingerPing」を開発した。
FingerPingは、リングのスピーカーが出す音響チャープ信号を、リストバンドに組み込まれたレシーバーで受けることで、指のジェスチャーを読みとるシステムだ。チャープとは時間とともに周波数が増加または減少する信号で、ソナーなどに使われている技術だ。
指で作った形により音響チャープの伝わり方が変わるため、FingerPingは22種類のジェスチャーを認識することができるという。これにコマンドを割り当てれば、例えば音楽プレイヤーに対する再生、停止などの命令を指のジェスチャーでコントロールできる。また、12個ある人差し指から小指の節の部分をキーパッドに見立て、昔の携帯電話に実装されていたT9方式のようなテキスト入力も可能になる。
実験では、FingerPingは手話で表現した1~10の数字を認識することができた。これはFingerPingを将来的に手話通訳器として利用できる可能性を示している。博士課程学生で研究を率いるCheng Zhang氏は、FingerPingは手話を認識するための専用グローブや画像認識カメラが不要で、可搬性に優れたソリューションになりえるとし、今後の発展・改良が期待される技術だ、と述べている。
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