- 2018-8-12
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- Nano Letters, Ramses Martinez, パデュー大学, ロールツーロールレーザー誘起超塑性法(R2RLIS:Roll-to-Roll Laser-Induced Superplasticity), ロールツーロール生産
モバイルデバイスのフレキシブル基板や太陽電池の製造方法として普及が進むロールツーロール生産。ロール状に巻いたプラスチックなどの基材を繰り出し、間欠的・連続的に搬送しながらパターン形成などを行い、再びロールに巻き取る製造方法だが、米インディアナ州のパデュー大学は、その精度を飛躍的に改善する技術を開発した。この方法を使えば、新聞の高速輪転印刷機に匹敵する速度と精度で処理が行えるという。
ロールツーロール生産では、スクリーン印刷などの技術を使って基板上にメタルパターンを形成するのが一般的だが、パデュー大学産業工学・生体医工学のRamses Martinez助教によれば、これを超高速デバイスの製造に適用するためには、パターン表面の粗さや分解能が課題となっていた。
パデュー大学の開発した方式では、スクリーン印刷に代わって産業用炭酸ガスレーザーを使い、パターンをインプリントする。この「ロールツーロールレーザー誘起超塑性法(R2RLIS:Roll-to-Roll Laser-Induced Superplasticity)」と名付けられた方法は、新聞を高速で印刷するのに用いられる回転型版胴を使用しており、滑らかなナノスケールのパターン形成を高速に行うことができる。
Martinez助教は、「我々のロールツーロール方式によるデバイス製造は、高感度で費用対効果の高いバイオセンサーの製造を可能にするものだ。」と述べ、技術の有用性に自信を見せている。技術の詳細は、化学誌『Nano Letters』に掲載されている。