米Boeingは2018年9月5日、世界最大級の新型双発ジェット機「777X」の試験機をワシントン州のエバレット工場で公開した。今回はエンジンを搭載せず、翼や胴体の強度検証を行う静的試験用の機体だ。今後テストを重ね、2019年に飛行試験機によるプログラムを実施し、2020年の出荷を予定している。
777Xは「777-8」と「777-9」の2機種をラインナップしている。777-8は全長70m、航続距離が1万6110km。777-9は全長77m、航続距離が1万4075kmだ。どちらも翼長72mで、地上では翼端を折り曲げて翼長65mにすることで、燃費をおさえつつ、従来の空港ゲートにも対応する。
公開した試験機は777-9と同型だが、今回は静的試験のため、エンジンは搭載していない。後部も垂直尾翼はなく、ダミーの水平スタビライザーを取り付けている。フルスケールの機体を使って、翼、ギア、ストラット、胴体にさまざまな負荷をかけ、飛行機の構造と耐荷重性を検証する予定だ。
現状は競合機と比べて、12%燃費が良く、客席の窓も30%大きいという。エンジンは777X用に新しく開発したGE9Xを搭載。また、商用機では初めてフライトデッキにタッチスクリーンを採用する。
ANAをはじめ、エミレーツ航空、ルフトハンザ航空などが777Xを発注しているという。