大切なのは「一緒に働いている」と思えること。モチベーションが上がり、長時間集中できるように

「一緒に働く仲間だ」と他のメンバーから認められるだけで、モチベーションが上がって仕事の効率が向上するようだ。米スタンフォード大学が2014年9月に公開したレポートで、そのように分析した実験結果を紹介している。

同大学の研究チームは、参加者を2つのグループに分けて難しいパズルに取り組ませた。片方は「一緒に働いている気持ち」になれるグループ。パズルに関するヒントを別の参加者に書いて渡したり受け取ったりできる。もう一方は「バラバラに働いている気持ち」になるグループで、研究チームを相手にヒントを渡したり受け取ったりすることになる。

実際には、どちらのグループの参加者も1人でパズルに取り組むことになる。受け取れるヒントも、実は同じ内容。大きな違いは「一緒に働いている気持ち」になれるかどうかだ。

実験の結果、「一緒に働いている気持ち」のグループには、「難度の高い作業を、48~64%長い時間続けられた」「作業に対して、より興味を持てた」「楽しめたからなのか、作業を続けても疲労感を比較的感じなかった」「作業により集中できて、パフォーマンスもより優れていた」といった好影響が表れていた。

さらにこうした経験は、参加者の価値観などにも影響を与えたようだ。1~2週間後、別の環境で実験に参加してもらったところ、53%ほど、本実験とより関連性の高い作業を選択する結果になったという。

研究チームは、「一緒に働いている」と思えることが、働くときに「内発的モチベーション」を向上させたのだと分析している。内発的モチベーションとは、やりがいや楽しさを感じることで自分の内面から意欲がわくことだ。

ただし、こうした研究結果から「グループワークの方が常に/必ず優れている」と提言したいわけではないと研究チームの1人は釘を刺している。「他人と仕事することに義務感を覚える」「グループに貢献しているのに気づいてもらえない」「仕事に対して主体性を持てない」といった状況になると、グループワークは生産性を向上させるとは限らないからだ。

それに対してこちらの研究では、1人1人が個別の作業に取り組んでいるときでも、「一緒に働いている」という気持ちを持たせることが可能であり、それによりモチベーションを高めることができると示したことがポイントだと説明している。

関連リンク

Stanford research shows that working together boosts motivation

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