3Dプリント後でも自由に色が変えられる――MIT、造形物の色を変える技術「ColorMod」を開発

MITのコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)が2018年1月29日、3Dプリンティングした造形物の色を造形後に変更する技術「ColorMod」を開発したと発表した。特定の波長で発色する染料を使い、造形物を再度作り直すことなく、その色を変えることができる技術だ。この研究成果は『Proceedings of CHI 』に論文「ColorMod: Recoloring 3D Printed Objects using Photochromic Inks」として2018年1月に受理されている。

ColorModが利用するインクは、基本の染料、光重合開始剤、そして光順応染料を混合したものだ。特定の波長の光を照射すると、光順応染料が基本染料の色を発色させるのを促し、光重合開始剤が基本染料を硬化させる仕組みだ。インクはUV光照射でアクティベートされて発色するが、可視光を照射すると非アクティベートされて無色になる。

ColorModでは、この異なるカラーに発色する光反応素材を、高密度のマルチカラーボクセルパターンとして造形物の表面に配置することで機能する。まず、印刷したい3DデザインをColorModにアップロードし、表面にマルチカラーボクセルを配置して3Dプリントする。そして造形後に目的のパターンを使ってUV光を照射すると、そのボクセルだけがアクティベートして発色する。さらに可視光用のパターンを使って無色にしたいボクセルに可視光を照射することで、狙ったパターンへのマルチカラーでの変色が実現する。

現状では色付けには23分ほどの時間が必要で、より強力な光源や反応性の高い光順応染料の使用による時間短縮を検討するという。また、カラーパターンがピクセル状になるという課題もあるが、近接する2つの色を同時に発色させることでの改良も検討する。これは隣接するボクセルを青と赤に発色させることで紫を表現したり、赤と緑で黄色にしたりという加法混色に基づく改良だ。

研究者の一人Mueller準教授は「例えば、アクセサリーの瞬時に色を変えて、その日の服装に合うように変更したり、お店でリアルタイムに衣類やアクセサリーをカスタマイズできるようになる」と、ColorModが生み出す3Dプリンティングの可能性を説明している。

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