- 2019-10-10
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Ford Motor, MIT, PhotoChromeleon, UV光, カメレオン, コンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL), フォトクロミック色素, フォトクロミック(photochromic)色素
MITのコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームは、紫外線や可視光に反応するフォトクロミック(photochromic)色素を利用してカメレオン(chameleon)のように色を変えることができるインク「PhotoChromeleon」を開発した。何度でも書き換え可能で、スマートフォンから車のボディまで、様々なものの色や模様を変えることができる。
このインクには、シアン、マゼンタ、イエローの色のフォトクロミック色素が含まれており、それぞれの色素は特定の波長の光に反応する。スプレーやブラシを使って色を変えたいものにインクを塗布しておき、専用ソフトでUV光とRGBプロジェクターの照射範囲を調整すれば、自由に発色を制御できるという。
1回のプロセスには15~40分を要するが、反応は可逆的なため、デザインが気に入らない場合は、UV光で消去して何度でもやり直すことができる。
公開された動画では、単純なパターンから細かな風景まで、解像度の高さと色域の広さを示している。ただし、今回開発したインクでは全ての色を表現できなかったため、材料科学者とも協力してインクの改良を行う予定だ。
提携するFord Motorの技術者も「このインクは、マルチカラーパーツの製造に必要な多くの工程を減らし、天候や紫外線による退色を改善できる可能性がある。いつか、自分の車の色をそのときの気分で自由に変えることもできるかもしれない」と、期待を寄せている。