【CES2021】船長はAI――IBMらの無人自動運転船が太平洋横断を目指す

IBMと非営利団体ProMareが開発する自動運転船「Mayflower Autonomous Ship(MAS)」が、2021年1月11日からオンライン開催された「CES2021」においてイノベーションアワードを受賞した。MAS は、AI(人工知能)やクラウド、エッジコンピューティング技術を活用した無人の自動運転船で、2021年4月19日に英国のプリマス港を出帆。400年前にオリジナルのメイフラワー号が辿った航路を通り、太平洋横断を目指す。

MASは長さ15m、幅6.2m、重量5トンのトリマラン(三胴船)。船体には太陽光パネルを設置し、ハイブリッド推進システムを搭載している。最高速度は10ノットだ。

6台のAIカメラ、30個のオンボードセンサー、15台のエッジデバイスを駆使して、天候の変化や海上の危険物の検知、周囲を航行する船舶の大きさや速度の識別などを行いながら、「AI船長」が状況を判断し、自律的に航行する仕組みだ。

MASは無人船だが、タコ型チャットボット「Artie」がこっそり乗船しており、AIアシスタント構築システムの「IBM Watson Assistant」を駆使して利用者の質問に答えてくれるという。

航海中は、海洋哺乳類やプランクトンの分布調査、水質サンプルの採取や分析、海水温、塩分濃度、深さの測定などを実施する。海洋保護に役立つ環境データを収集するとともに、より安全で持続可能な輸送モデルとサプライチェーンへの道を開くとしている。

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