大西洋を横断する完全自動運転船――メイフラワー号の航路を辿る

IBMが2019年10月16日、海洋研究機関のProMareが率いる完全自動運転船のプロジェクトにバーミンガム大学と共に参加し、AIを提供することを発表した。このプロジェクトは、1620年にヨーロッパ人を新大陸アメリカへと運んだメイフラワー号の400周年を記念するものだ。「メイフラワー自動運転船(MAS:Mayflower Autonomous Ship)」と名付けられた船が、2020年9月にオリジナルのメイフラワー号が辿った航路を通り、大西洋を横断する。

MASには、IBMの最も強力なサーバー、クラウド、エッジコンピューティング技術を駆使したAIを搭載し、イギリスのプリマスからアメリカのプリマスまで、海路の危険を回避しながら、自律航行する。

400年前、メイフラワー号は約100人の乗客と30人の乗組員を乗せ、2カ月以上をかけてアメリカに到着したが、MASは完全な無人船で、約2週間でアメリカに到着する予定だ。

MASには、海上サイバーセキュリティ、海洋哺乳類の監視、海面マッピング、海洋プラスチックなどの研究へ貢献するセンサーや科学機器を含む3つの研究用ボットも搭載されるという。これらの研究応用の関わる企画はイギリスのプリマス大学が主導する。

MASが成功すれば、大西洋を横断する最初の完全自航式大型船となる。大西洋横断という極限状況での無人制御を可能とする技術開発に貢献し、新時代への扉を開くことが期待されている。

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IBM Boards the Mayflower Autonomous Ship Project(IBM News Room)
IBM Boards the Mayflower Autonomous Ship Project

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