YouTuberが乗用6脚ロボットを製作――1年半にわたる軌跡

Hacksmith Industries/Youtube

海外のYouTubeチャンネルHacksmith Industriesは、乗用6脚ロボット「Megahex」の制作過程を2023年1月15日の動画で公開した。世界最大の乗用6脚ロボットと主張している。当初は3ヶ月程度で完成する予定だったが、結果的に1年半にもわたる試行錯誤を繰り返した。その長い道のりの一部始終が動画に収められている。

メンバーの1人が、バケットを使って方向変換が可能なカナダのPrincess Autoの掘削機を見て、それを6台つなげてクモのような乗用ロボットを作ろうと思いついたことから計画がスタート。Princess Autoに計画を打診し、掘削機と店舗内で使える資金の提供を受けることもできた。

当初のアイデアは、掘削機6台を長方形に接続。6本の脚にタイミングをずらして同じ動きをさせるというものだった。しかし、巨大化し安定性を欠くことから、フレームを六角形に変更。それに伴い、組み立てに精度が必要となり、脚の動きもすべて同じというわけにはいかなくなった。この変更を皮切りに、次々とトラブルが発生し、メンバーたちは失敗と試行錯誤を繰り返していく。

やっとたどり着いた4人のパイロットを乗せてのテストでは、運転席を持ち上げることに成功するが、挙動が安定しない。複数のパイロットによる操縦では足並みが揃わず、コンピューター制御が必要だと判明した。プリント基板まで作るなど、複雑なシステムを構築し、数え切れないほどのトラブルシューティングを経て、すべてのハードウェアとソフトウェアを統合。しかし、はじめは上手く動かなかった。

何度も試行を繰り返し、モーターの発熱対策やエンジンの変更など、対策を重ねて、ようやく歩行テストに漕ぎつける。しかし、その巨体を支える脚と踏み出す脚のバランスの調整が難航した。パーツをつなぎ動かしているシリンダーが爆発するという一幕もあった。それでも少しずつ改善が見られ、ついに歩行に成功する。

その後、1人が乗って野外で順調に歩行している最中に、フレームが破損して1本の脚がMegahexから取れてしまった。溶接して再び動かしたところ、その脚がつながっているフレームが半分に裂けてしまい、フレームを完全に再構成しなければならなくなる。

さらに修理をするか頭を悩ませるメンバーだったが、歩行の成功という当初の目標を達成したことから、チャレンジをここで終了することにした。このプロジェクトにはあまりにも多くの時間と労力、資金を割いており、やるべきではなかったとメンバーは語っている。

関連情報

Our BIGGEST project yet! (SPIDER MECH!) – YouTube

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