1.25Gbps通信用光トランシーバを開発―― POFやHPCF、全石英ファイバに対応 浜松ホトニクス

浜松ホトニクスは2023年2月8日、光半導体素子の製造技術を基に独自の設計技術を応用した、データ伝送速度1.25ギガビット毎秒(Gbps)で光ファイバ通信ができる、1.25Gbps通信用光トランシーバ「P16671-01AS」を開発し、サンプルの提供を同年2月13日より開始すると発表した。低コストで高速な大容量データ通信ができる。価格は8525円(税込)。

P16671-01ASは、小型で低コストの光トランシーバで、電気信号を光信号に変換する光送信機、光信号を電気信号に変換する光受信機、光ファイバとの接続のためのレンズとコネクタ機構を一体化している。

P16671-01ASを用いた光ファイバ通信の概要

発光素子としてLEDを使用している従来製品とは異なり、より高速な動作に対応する垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を使用。データ伝送速度を向上している。VCSELは光出力に個体差があり周囲の温度による変動も大きく、LEDに比べて扱いが難しいが、本製品ではVCSELの光出力を個々に補正する駆動ICを採用することで、安定動作を実現している。

さらに、自社設計の高速動作の受光素子と、その特性を最大限に引き出す信号処理ICを搭載。従来製品は伝送速度が最大150Mbpsだったが、最大1.25Gbpsまで向上している。

また、光ファイバとの結合性を最適化したレンズ設計と光半導体の実装、組立技術により、同社の製造工程で受発光素子と口径の小さい光ファイバの調芯が不要なパッシブアライメント方式を採用。小型、低コスト化している。既存製品の車載向け光リンク用フォトICなどで培った製造、品質管理のノウハウにより、高い信頼性を提供する。

標準規格に対応した光コネクタ形状を採用しており、安価なプラスチック光ファイバ(POF)を用いた短距離基板間通信に加え、ハードプラスチッククラッドファイバ(HPCF)や大口径石英ファイバを用いた最大100mまでの機器間の中長距離通信、ネットワークの構築に対応。光ファイバの組み合わせにより、幅広い用途で高速な光ファイバ通信に対応する。

光ファイバの口径比較

今後、さらなる高速化を進めるとともに、ニーズに合わせた製品形状、ラインナップの拡充を目指す。

関連情報

POF、HPCF、全石英ファイバ対応1.25Gbps通信用光トランシーバを開発 | 浜松ホトニクス

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