IDC Japanは2016年2月23日、国内IoT市場のユースケース(用途)別/産業分野別予測を発表した。
それによると、国内IoT市場は2020年まで年間平均成長率16.9%で成長し、13.8兆円に達する見込みだ。
産業分野別に見ると、製造業、運輸業、公共/公益などの産業分野が市場をけん引する。
これらの分野では従来からさまざまな組込系機器やインフラに投資している。今後、それらの運用効率の合理化や、組込系機器、インフラを通じてエンドユーザーの満足度を向上させるためにIoTの活用が必須の流れになっていくと同社は見る。
具体的なユースケースは、製造業での製造オペレーションや製造アセット管理、運輸業では輸送貨物やフリートの管理などが該当する。組立製造、プロセス製造、運輸/運輸サービス、公共/公益、官公庁の5分野での、予測期間内の年間平均成長率は16%台後半から17%台で推移し、いずれの分野でも2020年までに1兆円以上の市場へ成長すると予測している。
また、個人消費、クロスインダストリーなどの産業分野でも、スマート家電やコネクテッドビルディングなどのユースケースがけん引し、予測期間内の平均年間成長率が20%を超える成長率が期待できるとしている。
こうした国内IoT市場成長の背景には、2020年東京オリンピック開催に向けた景況感上昇の期待や、企業の事業部門におけるIT予算の拡大とIoTに対する期待があるとしている。さらに技術障壁やコスト障壁の低下、またIoT周辺の法規制や支援策の変化も影響していると同社は見ている。