「高齢者関連なら船渡に聞け」が目標
――今後どのような製品を作っていきたいですか。
生活の困りごとを解決したり、便利になったりするような製品を作りたいですね。まだ気付いていない潜在的な困りごともあると思うので、そういうところを発掘して、解決できるようなものを開発できたらいいなと思います。そのためには、聞く耳を持ち、自分自身もいろいろなものに興味や疑問を持てるように、意識して生活することが大事ですね。
働く女性としても開発者としても目標にしている育休から復帰した先輩を見ていると、私にはまだ分からないママならではの視点があるなと感じます。私は育児経験も家を買ったこともないので、当事者は本当はどういうものが欲しいのか、分からないことがたくさんあります。視野を広げるためにも、プライベートでもいろいろな経験をしたいなと思っています。
――では、どんな技術者を目指していますか。
入社して最初の仕事では、高齢者向けの「おもいやりシリーズ」の立ち上げに携わりました。それ以降、ひきドアや手すり関係など、高齢者の生活を支援する建材の開発に携わってきました。福祉関係の資格も取得しましたので「高齢者関連なら、船渡に聞けばいい」と思ってもらえるようになれたらうれしいですね。
いい製品には、女性目線も男性目線も必要
――エンジニアという仕事は女性に向いていると思いますか。
私は、あまり性別は関係ないと思います。ただ、男性だけで開発するより女性がいる方が視野は広がりますし、キッチンや浴室、ドアなどの仕様は、実際のところ奥様が決めることが多いので、そういう意味でも女性的な視点は必要だと思います。
逆に女性目線だけで決めてしまうと、指の太さや体格などの違いで、男性には使いにくいという場合もあります。男性・女性に偏らず、意見を出し合って協力して開発していくことが、いい製品につながるのではないかと思います。
――最後にエンジニアを目指す女性にアドバイスをお願いします。
私も数学や物理が苦手でしたが、この仕事をしています。苦手とか得意ではなく、興味がある分野かどうかという視点で選ぶと、楽しさややりがいを感じながら成長できるのではないではないでしょうか。
得意なことは、必ずしも好きなこととは限りませんが、興味は「がんばれる素」になるのだと思います。