NTTは2017年2月7日、非公開だったInP化合物半導体R&Dプロセスによる超高速IC技術を、パートナー向けに公開することを発表した。
従来のシリコンを用いた集積回路は、CMOSに代表されるように大規模な集積化による高機能化は可能だが、高速化や高出力化には限界がある。反対にInP化合物を用いたICは、高集積化は難しいが高速化や高出力化は可能なために、相互補完できる技術として注目されている。
NTTではこれまで、InP化合物半導体プロセスを用いる超高速IC技術の研究開発を長年進めてきており、300GHz帯を用いた毎秒数十ギガビットの伝送速度を持つテラヘルツ無線用小型無線機による毎秒2ギガバイトの高速データ転送などを実証してきた。
NTTでは今回、超高速ICを用いた新サービスおよび新産業創出、また超高速IC技術の進化を目的にコラボレーションするパートナーを募り、パートナー向けににInP化合物半導体R&Dプロセスを用いた超高速IC技術を公開する。
具体的なコラボレーション内容は次の通りだ。NTTがパートナーにプロセスデザインキット(PDK)を提供し、パートナーはそのPDKを利用して回路設計する。NTTは最先端の化合物半導体R&DプロセスによってIC化を支援する。
今後は2017年にトライアルとパートナー募集を行い、2018年にパートナー向けにPDKを配布開始、2019年に最先端の化合物半導体R&DプロセスによるIC試作開始を想定している。