メタマテリアルで光の回折限界を超える――シンガポール大学、超高解像度を実現する超薄型平面レンズを開発

シンガポール国立大学工学部は、超高解像度の平面メタレンズを開発したと発表した。

一般の光学レンズでは、光のもつ波の性質により、その波長より小さいものが扱えないという回折限界がある。一般的に光学顕微鏡では120~140nm(ナノメートル)程度とされるが、シンガポール国立大学の開発した技術は、メタマテリアルの特性を利用して分解能を上げ、回折限界を超える超薄型平面メタレンズ(planar metalens)で、その分解能は65nmだという。

生物学研究の分野において、ほとんどのタンパク質と細胞組織は回折限界より小さく、電子顕微鏡で観察するには試料を染色する必要があるが、新開発のメタレンズを使えば、試料の性質に影響を与えるような前処理を施す必要なない。また、光学顕微鏡でリアルタイムに画像をみることで、画像の後処理も不要となる。生物学分野以外でも、100nm以下の解像度が必要とされる半導体集積回路の不良品検査も有望な用途と考えられている。

このメタレンズに関する研究成果は、2017年2月24日付け『Advanced Materials』誌に掲載されている。また、同学はこの技術を特許出願し、商業化のための産学連携を模索している。

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NUS engineers develop novel lens for super-resolution imaging

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