- 2017-5-22
- 化学・素材系, 技術ニュース
- e-Rubber, アドバンスト・ソフトマテリアルズ, スライドリング マテリアル, 東京大学, 誘電アクチュエーター, 誘電センサー, 豊田合成
豊田合成は2017年5月18日、電気を力に、力を電気に変換する次世代高分子デバイス「e-Rubber」の主材料となる超分子「スライドリング マテリアル」について、東京大学発のベンチャー企業アドバンスト・ソフトマテリアルズと独占ライセンス契約を締結したと発表した。独占契約の対象となる用途は、誘電アクチュエーターと誘電センサーに限り、豊田合成が排他的に使用・販売できる。
誘電アクチュエーターは、伸縮性電極に挟まれた誘電層のスライドリング マテリアルにクローン力をかけると伸び縮みする仕組みだ。軽量で高出力、大きい変位や柔軟なやさしい動きができて、省エネで応答性に優れ、無音といった特徴がある。電磁モーターに代わる次世代の動力源として、ロボットの人工筋肉などに利用できると期待されている。
さらに、スライドリング マテリアルを素材とした誘電センサーは、柔らかさを生かした触覚・圧力センサーやモーションセンサーとして実用化に向けて開発が進められているところだ。
今回の独占ライセンス契約を機に豊田合成は、高分子分野の専門メーカーとして自動車部品等の開発で培った材料設計技術を活用し、e-Rubberの開発を実用化に向けて加速させたい考えだ。実用化に成功した際には、ロボティクス分野や自動車、IoT、医療、介護分野など、幅広い領域で活用できる見通しを示している。