NSKワーナー、「ポール式ワンウェイクラッチ」を開発 ハイブリッド車の燃費向上などに貢献

日本精工(NSK)は2017年5月29日、同社グループ会社のNSKワーナーが自動車パワートレイン(PT)向けに「ポール式ワンウェイクラッチ」を開発したと発表した。2モーターハイブリッド車のEV走行時に、エンジンの逆転を防止する機能を担うとともに、エンジン走行時には空転時のドラグ(引きずりに伴う損失)を低減して、ハイブリッド車の燃費向上とEV性能向上に貢献する。

今回の開発製品は、ハイブリッド機構の中の、エンジンとトランスアクスルの連結部分に使用されるワンウェイクラッチ。従来のスプラグ式やローラー式のワンウェイクラッチは潤滑が必要で、摩擦力で動力を伝達するため、ドラグ低減が課題だった。この課題に対応するため、同製品は空転時にポールと内輪が非接触となるポール式を採用。さらに構成部品のポールや内外輪に潤滑剤コーティングを行うことで無潤滑環境での使用が可能となっている。

空転時には設定回転数でポールが回転力で離れ、ポールと内輪が非接触となることや、無潤滑環境での使用により、従来品に比べてドラグを90%低減。また、摩擦力でトルク伝達する従来のワンウェイクラッチと比べ、トルク容量を2.5倍に高め、小型軽量化を実現した。さらに、ポール間の噛み合い位相を変えることで、ラチェットタイプ(ポールタイプ)の課題の一つであるバックラッシュ(ガタつき)も低減している。

NSKでは、同製品の売上として2022年に年間20億円を目指している。

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