NIMSと長岡技術大、アルミ合金並みの室温成形性・強度のマグネシウム合金を開発

物質・材料研究機構(NIMS)と長岡技術科学大学は2017年6月15日、自動車の車体に使われるアルミニウム合金並みの室温成形性を持つ上に、重さ当たり強度が1.5~2.0倍となる時効硬化型マグネシウム合金(AXMZ1000)を開発したと発表した。

研究チームは微量の亜鉛とマンガンを添加したことで微細結晶組織を形成して成形性を高め、アルミニウムとカルシウムの添加によって成形後の時効処理と呼ばれる熱処理で強度を高められるマグネシウム合金を生み出した。

マグネシウム合金は最も軽い金属材料であるため、自動車や鉄道車両など、軽量化によって燃費を向上させたい輸送機器向けの素材として長年期待されてきた。しかし鉄鋼材料やアルミニウム合金と比べると製造コストが高く、室温での成形性と強度が劣っていた。

今回開発されたマグネシウム合金は、豊富な資源があり安価な合金元素が使われている。板材とするための加工・熱処理プロセスも、通常のアルミニウム合金と同じ単純なものだ。研究チームは今後、開発合金の大型化に取り組むとしている。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る