英マンチェスター大学は2017年8月9日、Nazmul Karim博士と Amor Abdelkader博士が繊維に直接印刷できるフレキシブルバッテリーを開発したと発表した。
装着可能な小型スマートデバイスの開発では、バッテリーの取り扱いが課題となっている。有望な技術として、研究が盛り上がっているのがスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)だ。従来のバッテリーの代用になり、数秒という短時間でフル充電できる。
Karim博士らはグラフェンから比較的安価に作成できる酸化グラフェンをインク状にし、綿の布地にスーパーキャパシタを印刷した。印刷されたグラフェンは綿にしっかりと付着し、綿と同じフレキシブルさを持つ。
印刷されたスーパーキャパシタは、バッテリーとして安定的に動作しエネルギーを蓄積できる。さらには洗濯も可能だ。
将来的には、運動パフォーマンスや基礎代謝などを記録できるようなウェアラブルデバイスへの応用が期待される。
Karim氏は「シンプルで拡張性を持つ印刷技術を使って、繊維に印刷したグラフェン材料からなるフレキシブルなスーパーキャパシタを開発した。多くの機能を持つ次世代ウェアラブルスマートテキスタイル(e-テキスタイル)実現への大きな一歩だ」と語っている。