理研と東大、洗濯可能な超薄型有機太陽電池を開発

衣服上に貼り付けた超薄型有機太陽電池の洗濯写真

理化学研究所は2017年9月19日、東京大学と共同で洗濯にも耐えうる伸縮性と耐水性を持った超薄型有機太陽電池を開発したと発表した。

衣服にも貼り付けることができる太陽電池は、生体継続モニタリング用のウエアラブルセンサー向け電源などとして活用が期待されている。しかしそのような太陽電池を実現するためには、環境安定性やエネルギー変換効率が高くなおかつ機械的な柔軟性を持つ必要があり、従来の太陽電池では実現が困難であった。

今回共同開発した太陽電池は、厚さが1μmの基板フィルムと封止膜を利用して、水中でも劣化せずに動作する超薄型有機太陽電池だ。高い環境安定性とエネルギー変換効率を併せ持つ有機半導体ポリマーを極薄の高分子基板上に形成する技術によって、環境安定性と高エネルギー変換効率を両立させた。

さらに、あらかじめ引張させたゴムによって今回開発した太陽電池を双方向から挟むことで、伸縮性を維持しながら耐水性を向上させる封止が可能になった。120分の水中浸漬でエネルギー変換効率の低下が5%程度、水滴をデバイス上へ滴下し一定時間保持しながら伸縮を繰り返し行う洗濯時のような状態の後でも、初期の80%のエネルギー変換効率を保持した。

理研では今回開発した洗濯可能な伸縮性を持つ超薄型有機太陽電池の、ウェアラブルデバイスや、電子機器を衣料などに埋め込んで情報収集を可能にするテキスタイル素材であるe-テキスタイル向けの長期安定電源への応用が期待できるという。

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