大阪大学は2017年10月31日、九州大学と共同で、VLS法による金属酸化物ナノワイヤの合成を、従来よりも低温で可能にする手法を開発したと発表した。
金属酸化物ナノワイヤは、太陽電池やリチウムイオンバッテリー、スーパーキャパシタ、不揮発性メモリー、触媒などさまざまな用途に適用できるため、その応用が期待されている。
VLS法は、多くの機能性無機材料の良質な単結晶の合成が可能で、ナノワイヤの成長位置と直径を制御できる優れた金属酸化物ナノワイヤの合成法だ。しかし従来、VLS法による金属酸化物ナノワイヤの合成には、600~1000℃の高温の環境が必要であり、熱に対して不安定な基板上にナノワイヤを合成するために、合成温度を低下することが求められていた。
今回研究では、原料の供給レートと合成温度を系統的に変化させた際の生成物を調べることで、低温合成が可能な条件を発見した。
この研究によって、熱に対して不安定な基板上にも高品質な金属酸化物ナノワイヤを合成することできるようになる。今後、太陽電池やリチウムイオンバッテリー、触媒などのさまざまな用途への応用が期待される。