ヤマハ発動機は2023年8月25日、植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂を使った部品を水上オートバイ「ウェーブランナー」などに採用し、北米で販売を開始したと発表した。CNF強化樹脂を使った輸送機器部品の量産化は世界初だとしている。
同社はCO2の削減、環境負荷低減に対する取り組みの一つとして、CNF強化樹脂の量産化に取り組んでいる。木質資源を活用したバイオマス素材であるCNFを、ポリプロピレンなどの樹脂へ混練、分散した高強度な新素材で、既存の樹脂材料に比べ、25%以上の軽量化が図れる。また、マテリアルリサイクル性にも優れ、プラスチック使用量の削減やCO2など温暖化ガス排出削減につながる。
今回、北米で発売されたのは、水上オートバイのほか、ウォータージェット推進機を搭載する「スポーツボート」の2024年モデルで、エンジン部品の一部であるエンジンカバーにCNF強化樹脂が使われている。
新しいエンジンカバーは、軽量のCNF強化樹脂を使っているうえ、さらにデザインを工夫して軽量化を図った。リサイクル性にも優れ、繰り返し使用することでプラスチックの使用量も削減できる。また、海水と熱による過酷な環境にも耐えられるよう既存材料と同等以上の強度を確保した。
同社は将来的に、さまざまなCNFの活用を視野に入れ、マリン製品だけでなく二輪車などを含めた幅広い製品へのCNF強化樹脂部品の採用を検討している。
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植物由来の次世代素材を採用した水上オートバイなどを発売〜輸送機器部品での量産品として世界初〜 – ニュースリリース | ヤマハ発動機株式会社