NEDO、輸送機器の軽量化を目指す新材料開発プロジェクトを拡大し4テーマ追加

「革新的新構造材料等研究開発」プロジェクトの概要

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年5月8日、自動車など輸送機器の軽量化を目指す新材料の研究開発プロジェクトで、4つの研究開発テーマを追加採択したと発表した。マルチマテリアル設計と評価技術を確立して新材料を適材適所に組み合わせる技術を開発し、輸送機器の軽量化による燃費改善への貢献を目指す。

これまでNEDOでは、輸送機器軽量化の課題に対し、鋼板、アルミニウム材、チタン材、マグネシウム材、炭素繊維、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの新材料を開発し、構造体の軽量化を目指す「革新的新構造材料等研究開発」事業に取り組んできている。これら新材料の実用化のためには、材料の特徴に合わせて適材適所に組み合わせるための異種材料の複合化(マルチマテリアル)設計技術と、信頼性に関する評価技術が重要となる。このため今年度、同事業に新たに4つの研究開発テーマを採択した。

研究開発テーマ1「マルチマテリアル車体軽量化に関わる革新的設計技術の開発」では、複数の材料を組み合わせるマルチマテリアル設計技術を開発する。レベルセット法と呼ばれる計算手法を用いたトポロジー最適化を適用することで、構造部位の抜本的な軽量化を進める。また各材料および異種材料の接合部を対象に含めたシミュレーションの開発を行う。

研究開発テーマ2「マグネシウム材の性能・寿命に関するマテリアルズ・インテグレーション(MI)活用技術の開発」では、理論や経験則、数値モデリング、データベース、機械学習などを融合して材料の研究開発を支援するマテリアルズ・インテグレーションの活用技術を開発する。難燃性マグネシウム合金の疲労特性予測計算モジュールの開発と、難燃性マグネシウム合金の疲労特性や寿命などのデータベース構築に取り組む。

研究開発テーマ3は「超高強度鋼板の腐食挙動解析技術の開発」。超高強度薄鋼板の腐食挙動をミクロ(μm以下)に観察/計測できる微小電気化学計測技術や局所構造解析技術などを開発する。

研究開発テーマ4は「超高強度薄鋼板の水素脆化挙動評価技術の開発」。超高強度薄鋼板の水素による強度低下の挙動に影響を及ぼす応力、ひずみ、水素濃度分布、ミクロ組織損傷を数百μmレベルで評価/解析し、実用化を考慮したさまざまな形状、加工形態に対する評価技術を開発する。

研究開発の委託予定先はいずれも新構造材料技術研究組合(ISMA)。実施期間は、研究開発テーマ1、2が2018~2022年度、研究開発テーマ3、4が2018~2020年度だ。

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