近年、AI(人工知能)や機械学習の進化で、われわれの働き方が変わりつつある。世界経済フォーラムのレポート「The Future of Jobs(仕事の未来)2018」によると、2025年には機械による仕事量が人間の仕事量を上回ると予測している。
現在は仕事量の71%を人間が、29%を機械が担っている。しかし、2022年には人間の仕事量は58%に減り、2025年には逆転して人間が48%、機械が52%を担うことになる見込みだという。
予測によれば、業務の自動化に伴い、2022年までに「データ入力作業」「経理・支払い事務」などのルーティーン化した仕事を中心に、7500万件の雇用が消失する。また、専門的なサービス業と比較すると、鉱業や金属工業、情報技術産業において雇用が減少すると予測している。
実際に企業側も、2022年までに業務自動化の結果として、フルタイムの従業員が減ることになると50%近くの企業が見込んでいる。
ただし、暗い話ばかりではない。消失する雇用がある一方、新しい雇用の創出も予測されている。世界の労働市場の見通しは明るいという。
2022年までに新たに創出される雇用は1億3300万件で、「データアナリスト、データサイエンティスト」「ソフトウェア/アプリ開発者」「EC/SNSスペシャリスト」など、テクノロジーを活用する職種が中心だ。また、「営業・マーケティング」「カスタマーサービス」のように、対人能力を活用する職種もますます需要が増えるとしている。
同レポートでは企業に向けて、従業員を再研修する必要性を説いている。現在の職務上の変化と将来発生する新しい仕事へ準備するには、大企業で働く従業員であっても54%がスキルアップするか、スキルを習得し直さなくてはならないと指摘した。
技術設計やプログラミングに加えて、創造性、クリティカルシンキング、他者を説得する力など、人間ならではのスキルが、今後必要になると分析している。
専門業者やフリーランス、非正規労働者に業務を外注することになると考える企業も少なくない。
第4次産業革命ともいわれる技術の進歩で、管理業務や物理的な作業の多くは機械による自動化が予想される。しかし、それによって人間はより生産性の高い作業に注力できるという側面もある。われわれは、時代の変化に合わせてスキルアップや新しいスキルを身につけることが重要だ。