車載ECU市場、2030年には14兆円規模に――走行安全系や情報通信系の構成が高まる見込み 富士キメラ総研調査

富士キメラ総研は2019年5月20日、車載ECU(Electronic Control Unit)の世界市場調査結果を発表した。

同調査によると、ECU市場は堅調に拡大しており、2018年は前年比4.1%増の8兆4160億円が見込まれる。その後も自動車1台辺りのECU搭載数増や高性能ECUの需要増によって市場拡大が進み、2030年には2017年比79.0%増の14兆4679億円まで拡大すると予測している。

品目別では、2018年時点ではボディ統合制御ECUやエアコンECUなどのボディ系の市場規模が大きい。しかし今後は、価格が比較的高く、車両あたりの搭載量も多い走行安全系や情報通信系の構成が高まると見られ、2024年にはボディ系の市場規模を上回ると予想している。その中でも最も伸び率が大きくなると見込まれるのが、HV/PHV/EV/FCV系だという。中国やEUを中心に環境対応車が拡大。2020年頃から関連するECUも大きく伸びてくると予想している。

また、ECUに搭載されるセンサーの市場規模も拡大しており、2030年には2017年度比58.9%増の1兆8787億円に達すると予測している。

センサーで市場規模が最も大きいのが温度センサーだ。燃費規制や排ガス規制の強化、エンジンマネジメントシステムにおけるGPFやDPF、EGRシステムの採用増加や環境対応車の普及に伴って需要が増加している。伸び率が最も大きいと予想されるのはイメージセンサーで、先進国における衝突安全防止機能搭載の義務化が進むことによって、2030年には2017年比4.1倍の2513億円にまで拡大すると予測している。

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