矢野経済研究所は2019年6月10日、国内PLM市場の市場動向などの調査結果を発表した。
同調査によると、2018年の国内PLM市場規模は、前年比6.0%増の2675億6400万円となった。2017年以降の景気回復によるIT投資や設備投資の増加により、PLM市場も拡大傾向にある。2018年は高水準の企業収益に支えられて設備投資が大幅に増加し、PLM市場の拡大につながった。さらに、「IT導入補助金」や「ものづくり・商業・サービス補助金」などの支援制度により、中小企業の製造業を中心にCAD導入が進んだことも市場拡大につながった。
2019年は、中国経済の失速や消費税増税の影響などのリスク要因が多く、製造業における設備投資意欲が減退する恐れがあるという。これにより、国内PLM市場も若干減速し、前年比3.9%増の2780億円になる見通しだ。
また同調査では、製造業において実現しようとしている機械設計、電気設計、システム設計までを含めた統一プラットフォームや、IoT、VR、ARなどを含む最新技術など、環境変化や技術革新をいかに取り込んで展開していくかがPLM市場における課題であると指摘している。