ポイント
- 新社会人、就活ルール廃止に賛成48.5%、反対は14.0%
- 就活ルール、学生の本音は「あってないようなものだと思う」
- 親の就活介入「賛成」30.5%、「反対」26.5%
- 「親が就活に介入した」73.0%、主に「就活資金の援助」(34.2%)、「志望企業を選ぶとき」(33.6%)
調査概要
エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、22~25歳の2019年(平成31年)新卒入社の社会人200人を対象に、「就活ルールの廃止」と「就活への親の介入」に関するアンケート調査を行いました。
URL:https://engineer.fabcross.jp/
2021年4月以降の新卒入社採用より、就活ルールを廃止すると経団連が発表しました。経団連が加入企業に対し設定した、採用に関する広報や面接などの解禁日を撤廃することで、よりオープンな採用活動が実現するかもしれません。ただし、この就活ルールに関しては本来、学生の学業を優先させる目的で策定された背景があり、自由化することで学業に影響を与えることも懸念されています。
学生たち自身は、この就活ルールの廃止についてどのような意見を持っているのでしょうか。
また、親子参加型の会社説明会を実施する企業が増えるなど、子どもの就職活動に親が介入するケースが話題になっています。その賛否や、実際に自分の親が就活に介入したかどうかについて調査しました。
調査結果サマリー
新社会人、就活ルール廃止に賛成48.5%、反対は14.0%
・2019年(平成31年)新卒入社の社会人200人に、就活ルール廃止について賛成か反対か意見を聞いたところ、全体の48.5%が「賛成」と答えた。また、37.5%が「どちらとも言えない」と回答、「反対」は14.0%だった。
・「理系学部」を卒業した新社会人の48.0%、「文系学部」卒業では49.0%が「賛成」と回答。理系文系で大きな差は見られなかった。
就活ルール、学生の本音は「あってないようなものだと思う」
・就活ルールの廃止について、賛成か反対かの意見に対する理由を聞いた。廃止に賛成、反対、どちらとも言えないと回答したそれぞれの理由で、「就活ルールは形骸化している」「意味がない」といった意見が見られた。
【就活ルール廃止に賛成】
・もうルールなんてあってないようなものだと思う(22歳女性)
・就活解禁前に内定をもらっている人も多く見受けられる(23歳女性)
・賛成です。実質、面接解禁前に採用活動をしている会社もあるので、ルールがなくなっても、問題ないと思います(22歳男性)
・就活ルールはあってないようなものだから廃止しても良いと思うが、その代わりになる、新社会人が平等に機会を得られる仕組みは必要だと思う(22歳女性)
・ほとんどの企業で形骸化している。グローバル化するには、秋入社も含め、通年を通した採用活動が必要と考える(24歳男性)
・大企業も中小企業も、同じ時期で採用活動を始めるべきだと思う(22歳男性)
・大学の授業に支障をきたす(22歳男性)
・就活が始まる時期がほとんど同じなので面接日程が被ってしまい、調整が難しい。忙しいので体調も崩しやすい。通年もしくはもっと長い期間、どこの企業も採用試験をしていれば楽になる(22歳女性)
・自由に自分のペースで行うのがいいと思う。4年での就活は卒論もかぶるし、卒業旅行のお金も就活の費用で飛んでいったりしてなかなか貯めることができなかった(22歳女性)
・大学で勉強を頑張った人が評価される仕組みにするべきだと思う(23歳男性)
・企業は早くから優秀な学生かの判断ができるだろうから、早くにお互い学生就職先を確保して安心する方が良いと思う。特に学生は、就職先が決まっている方が安心して勉学に集中できるし、業務に向けて今学ぶべきことが明確化されると思う(23歳女性)
・日本の雇用形態が生み出した結果の形であると感じるため、改善するとなると根本的なガラパゴス化した文化を否定することなる。現実的に変えるのは困難だと思うが、変革を取り入れると言う意味では賛成である(22歳男性)
・ルールという古典的な風潮が日本や個々の会社の発展の足を引っ張っているように思える(22歳男性)
【就活ルール廃止に反対】
・ある程度の目安が無いと、就活のスケジュールが組みにくいから(23歳男性)
・大学の本分は学業であり、それらと就活が分けられる就活ルールは重要だと思う(22歳男性)
・就活ルールのおかげで、エントリー開始の3月までは就活の準備期間にあてることができたが、ルールが廃止されれば準備期間がいつなのか分からなくなると思う(22歳女性)
・ルールが決まらないと、大学のゼミの欠席などがみんなバラバラになって余計に卒論作成などが難しくなると思う。また、期間がないとだらけたり、頑張り忘れたりする人が出ると思う(23歳女性)
・青田刈り的採用は企業姿勢を悪くする。学生にも選ぶ権利はある(23歳男性)
・ルールを決めないときりがない(22歳男性)
・別にあってもなくても変わらないもの(22歳男性)
・学生側がもう少し強くなれれば、と思う(22歳男性)
【どちらとも言えない】
・大学で学ぶ時間が取れれば、就活ルールをなくしても良いと思う(22歳女性)
・就活しながら大学と忙しく、どちらも中途半端になる学生も出てくると思う(24歳男性)
・雇用が多種多様になり、ルールは形骸化しているが、大学生は学業をする必要があるためどちらともいえない(22歳男性)
・就活ルールを決めても守ってる会社なんてほとんどない(22歳女性)
・公には就活は3月からとなっているが、水面下で採用活動が行われているため意味がないと思う(25歳女性)
・ほぼルールを守っていないため対策が必要だが、雇用形態も変化しているためどちらとも言えない(22歳男性)
・3年までに単位を取れている人は就活中余裕があるが、単位が足りない人はすごく大変。両立が厳しい。日にちが被ると学校に行くか説明会や面接に行くかのどちらかしか選べない(23歳女性)
・3年の後半から就活がスタートすると、人によっては4年時に学ぶ時間の確保が難しくなる。しかし、就活ルールを廃止することによって学ぶ時間が増えるかとなると、それも分からない(22歳男性)
・自分にどう影響があるか考えていないのでどうでもいい(24歳男性)
・従うよりないから(23歳男性)
親の就活介入「賛成」30.5%、「反対」26.5%
・親が子どもの就活に介入することについてその賛否を問うと、「全体」で30.5%が「賛成」、26.5%が「反対」と回答した。
「親が就活に介入した」73.0%、主に「就活資金の援助」(34.2%)、「志望企業を選ぶとき」(33.6%)
・親の就活への介入について、その経験を聞いた。「全体」のうち73.0%が「介入されたことがある」と回答した。
・「全体」で見ると、介入内容については「就活資金の援助」(34.2%)が最も多く、「志望企業を選ぶとき」(33.6%)、「内定企業を決めるとき」(32.9%)が続いた。
・「企業説明会に親も参加」は「理系学部」卒業の新社会人で26.4%だった。「文系学部」の20.3%と比べ、6.1ポイント高くなっている。親に「介入されたことがある」と回答した理系卒の新社会人のうち、およそ4人の1人の割合で企業説明会に親が参加していると考えられる。
【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
期間:2019年4月15日~29日
期間:2019年5月17日~24日
対象:2019年(平成31年)新卒入社の社会人200名
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