- 2019-8-23
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- John McNamee, Mars 2020ローバー, MMRTG(Multi-Mission Radioisotope Thermoelectric Generator), NASA, NASA JPL(ジェット推進研究所), Thomas Zurbuchen, 「火星に名前を送ろう」キャンペーン, ニューホライズンズ探査機, バイキング, プルトニウム238, ボイジャー探査機, 原子力電池
NASAは2019年7月24日、Mars 2020ローバーの原子力電池「MMRTG(Multi-Mission Radioisotope Thermoelectric Generator)への燃料供給を承認したと発表した。2020年7月の打ち上げ、2021年2月18日の火星着陸に向けて、予定通り計画が進行しているという。
MMRTGは、プルトニウム238の自然崩壊により発生する熱を、熱電対を使うことで約110Wの電力に変換できる。探査機や実験機器に電力を供給するほか、発電機からの過剰な熱は、探査機を火星の厳しい寒さから守るためにも使われる。同様の原子力電池は、バイキングをはじめとする過去の火星探査やボイジャー探査機、最近ではニューホライズンズ探査機など、これまで27回にわたり使われてきた。
NASA科学ミッション局のThomas Zurbuchen副長官は、今回の決定を2020年の打ち上げに向けた「重要なマイルストーンだ」としている。ローバー内部はほぼ完成し、外側もロボットアームや車輪、計測機器などが取り付いている。「ローバーは日に日にローバーらしい外見になっており、動作もローバーらしくなっている」と、NASA JPL(ジェット推進研究所)のプロジェクトマネージャーJohn McNamee氏は語る。
NASAは、Mars 2020や月への有人探査ミッションを通じて、火星の有人探査を目指している。2030年代には、月を中継地として火星へ人類を送り込む計画だ。
なお、「火星に名前を送ろう」キャンペーンも2019年9月30日まで実施中。ローバーに搭載するマイクロチップに自分の名前を記載できるほか、名前入りの“搭乗券”も発行される。