半導体材料3C-SiCの高い熱伝導率を初めて実証 大阪公立大など研究グループ

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大阪公立大学と米イリノイ大学、東北大学、エア・ウォーターなどの研究グループは2022年12月15日、エア・ウォーターが開発した半導体材料3C-SiCが理論値に相当する高い熱伝導率を示すことを、熱伝導率の評価と原子レベルの解析から初めて実証したと発表した。3C-SiCは比較的低コストで、大口径ウェハーの作製も可能なため、高放熱性デバイス実現への貢献が期待できる。

炭化ケイ素(SiC)は次世代パワーデバイスの半導体材料として注目を集めており、温度上昇によるデバイスの故障や性能低下を防ぐため、熱伝導率が高い材料の開発が求められている。エア・ウォーターでは、Si(シリコン)基板上に高品質なSiC結晶3C-SiCを形成する独自技術を開発し、これを応用したGaN(窒化ガリウム)成長用下地基板を2012年から製造販売している。

研究グループでは3C-SiC結晶について、熱伝導率を調べるとともに、原子レベルで解析を行った。その結果、大口径材料の中では最も熱伝導率が高いダイヤモンドに次いで2番目の熱伝導率を示すことを実証。さらに、毛髪の50分の1の厚さの薄膜状にした場合には、ダイヤモンドよりも高い熱伝導率を示すことを確認した。

そのうえで、原子レベルの解析で高い熱伝導率を示す理由を調べたところ、3C-SiC結晶は純度が高く、結晶内の原子が規則的に配列して単結晶としての品質が非常に高いことが分かった。また、3C-SiC結晶をシリコン基板上に形成して界面の熱伝導率についても解析をしたところ、界面の原子配列に大きな乱れはなく、シリコン基板との界面も高い熱コンダクタンスを示した。

研究グループによると、3C-SiCが薄膜状でも高い熱伝導率を示すことから、集積回路への応用が期待できる。また、3C-SiCは大量生産や大面積化も比較的容易で、集積回路の性能向上やフォトニクスへの応用も考えられる。

今回の研究成果は2022年11月24日、国際学術雑誌「Nature Communications」にオンライン速報版として掲載された。

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