- 2019-11-12
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Banana Leaf Preservation Technology, Tenith Innovations, インド, バナナ, バナナの葉, プラスチックごみ, 森林破壊
近年、プラスチックごみや森林破壊などが環境に与える悪影響が大きな問題になっている。世界的にプラスチックや紙で作られた使い捨て製品を減らすことが必要とされているが、この動きに貢献する技術がインドで開発されている。
南インドでは伝統的にバナナの葉を皿にして食事を供する地域がある。バナナの葉はもちろん生分解性なので、プラスチック製使い捨て皿の代わりに使えば有害なプラスチックごみの削減につながる。しかし、バナナの葉はそのまま放置しておけば3日程度で枯れてしまうので、長期の使用には耐えられない。
そこで、インドのTenith Innovationsは、バナナの葉を強化処理する技術を開発し、食器などに加工して使えるようにした。「Banana Leaf Preservation Technology」と名づけられたこの技術は、化学薬品を一切使わずに葉の細胞を強化し、細胞壁をより強固にして、病原体が細胞を破壊するのを防ぐ。その結果、この技術を使って処理されたバナナの葉は、1年間は緑色のままで、形状も3年間保持できるという。
この技術で処理されたバナナの葉は、プラスチックや紙の代替材料として皿やカップなど使い捨て食器に使えるほか、紙の代わりに封筒や梱包用ボックスなどにも使える。海洋に漂うプラスチック廃棄物の削減だけでなく、地球の肺ともいわれる熱帯雨林の保全にも貢献できそうな技術だ。