レアアース材料を必要としない風力発電タービンが、メンテナンスコストを大幅に削減

Photo by Zhang Fengsheng

現在稼働中の風力タービンのうち「ダイレクトドライブ方式」を採用する機種の大半は、希土類(レアアース)磁石を使用する。この材料の課題は、高コストとサプライチェーンの不確実性だ。

米Sandia国立研究所は2022年9月8日、新型のロータリー電気コネクタの技術「Twistact」を発表した。この技術は、希土類磁石を必要としないこととメンテナンスコストの2点で、風力発電装置のゲームチェンジャーになる可能性がある。

希土類材料の市場には慢性的な供給不安があり、近年は電気自動車の需要増加も影響している。2011年には希土類材料のサプライチェーンで価格が急騰し、風力発電事業への影響が懸念された。さらに、希土類材料の採掘そのものが環境に悪影響を与えることも問題視されてきた。研究チームは、これらのリスクを回避する手段として、Twistactの開発に着手したという。

風力タービンを構成する既存のロータリー電気コネクタに使用されるブラシには耐用年数があり、運用期間中に補修や交換を要する。Twistactの特徴は、固定フレームと回転フレームの間、あるいは速度や回転方向が異なる2つの部品の間に電流を流す新技術だ。純粋な回転接触デバイスによって、抵抗値が非常に低い経路に沿って電流を流す。テストの結果、本技術を使用した数メガワット級のタービンは、30年の運用期間にわたり、前述の補修や部品交換を必要としないことが証明されている。

同プロジェクトでは、ダイレクトドライブ型の次世代風力タービンへの移行を支援する事業機会を模索している。

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