宇宙探査の国際NPO「Mars Society」が、火星への定住に向けた計画を推進

火星への人類定住に取り組む国際NPOである「Mars Society(火星協会)」は、2023年9月6日、研究組織として、MTI(Mars Technology Institute)の設立を発表した。MTIは、人類が火星に定住するにあたって必要な技術の開発を目指す。

同組織の会長であるRobert Zubrin博士は、米SpaceXなどの企業は、すでに火星への輸送システムの開発を推進中だと説明し、火星に到達後に生活していく上で必要な技術を開発する機関が必要だと主張している。

MTIの最初の取り組みは、バイオテクノロジー領域だ。人口10万人の火星の町に食料を供給するためには、少なくとも5000ヘクタール(50km2)の農地を必要とする。また、1km2あたり200ワットの人工光で生産を増強しようとすると、オーストラリアの総電力消費量の約3分の1にあたる10ギガワットの電力が必要になる。

農地や電力が貴重な火星において、これらは難題だが、バイオテクノロジーによってトウモロコシの光合成の効率が向上すれば、農地や電力の需要を削減できる。

火星では、農地以外にも、労働力とエネルギー源の2つが不足する。MTIがまず農地の不足を補うためのバイオテクノロジーに焦点を当てる理由は、これらを解消するためだ。

現在、バイオテクノロジー領域は盛んに研究されているものの、その方向性は、火星で直面するような制約や最適化の必要性までは考慮されていないという。

関連情報

Mars Society to Launch Mars Technology Institute

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