世界の自動車用樹脂市場の調査結果を発表――2030年の世界市場は1396万8000トンに拡大 矢野経済研究所

矢野経済研究所は2019年12月6日、世界の自動車用樹脂市場を調査し、樹脂別/自動車部位別の需要動向、参入企業動向、将来展望を発表した。

2018年の自動車用樹脂世界市場(メーカー販売数量ベース)を前年比100.3%の1017万3000トンと推計。内容の詳細は、自動車用の汎用樹脂(PP、HDPE、PVC、ABS)が718万6000トンと約7割を占め、汎用エンプラ(PA6、PA66、PC、POM、PBT、変性PPE)が298万7000トンだ。

自動車用樹脂の販売量は、自動車の世界生産台数にほぼ連動した動きを示し、汎用樹脂と汎用エンプラを合算した世界需要はほぼ前年並みだという。

2018年の自動車世界生産台数は9776万9000台となり、前年比99.5%と前年を割り込んでいる。

地域別では、日本が973万台と前年実績を僅かに上回ったが、中国が2780万9000台、欧州は1944万台、北米は1332万7000台と前年を下回ったという。一方、インドやASEAN、ブラジルなどをはじめとするその他地域は2746万3000台と好調だ。

2018年における自動車用樹脂世界市場の部位別需要構成比では、内装用途が30.4%と最も高く、エンジンルーム内/機能部品など用途30.1%、外板/外装用途28.2%、電装品用途11.3%と続く。外板/外装や内装では汎用樹脂の構成比率が80~90%と高く、一方、エンジンルーム内や電装品では汎用樹脂と汎用エンプラの比率はほぼ半々となった。今後、日本では人口減少や高齢化といった構造的な要因から自動車生産の低迷が続く見通しだという。

一方、新興国を中心に自動車の生産台数は高い伸長率で推移し、中国は伸び幅が縮小するものの2%前後、欧州や米国は1%台前半の緩やかな成長が続く見込みで、2030年の自動車世界生産台数は1億2520万台になると予測される。

矢野経済研究所は、自動車の世界生産台数予測をもとに、部品の樹脂化率などの変化を踏まえながら今後の自動車用樹脂の世界需要の推計も発表。2018年から2030年までのCAGRは自動車用汎用樹脂が2.32%、汎用エンプラが3.48%となる見込みだという。

なお、2030年の自動車用樹脂世界市場は1396万8000トンに拡大すると予測している。

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