世界一構造秩序のあるガラスの合成と構造解析に成功 京都大学

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京都大学は2020年12月25日、世界一構造秩序のある永久高密度シリカ(SiO2)ガラスの合成に成功し、その構造を大型放射光施設SPring-8などの量子ビーム施設を利用して明らかにしたと発表した。

ガラスは液体の構造をそのまま凍結した固体であるため、原子配列の規則性を失っている。そして、ガラスは作製時の急冷速度やその後の処理温度、圧力の印加によって原子配列の変化に伴った機能の修飾ができる。加熱によるガラスの結晶化を抑制しつつ高い構造秩序を有したガラスを合成することは、材料開発の新しい基軸となると考えられている。しかし、ガラスの乱れた構造を定量的に評価することは非常に困難であり、構造制御による新規材料開発は結晶材料と比べて著しく立ち遅れている。

今回、研究グループは大型放射光施設Spring-8のBL04B2や海外の中性子施設を横断的に利用した量子ビーム実験から、1200℃かつ7.7GPa(約7.7万気圧)において温度と圧力を精密に制御して合成したシリカ(SiO2)ガラスに、現在までに報告されているガラスの中で最も間隔がそろった原子配列を発見した。

さらに、室温で圧力のみを印加して同じ密度のガラスを作ったところ、この低温圧縮ガラスには構造秩序がないことも確認。また、中性子非弾性散乱と比熱測定によって二つのガラス原子の動きを測定したところ、ガラス特有の低エネルギー励起とされるボゾンピークが構造秩序によって大きく影響を受け、ボゾンピークが密度だけではなく構造によっても変化することを明らかにした。

加えて、実験データに基づいた計算機シミュレーションと、先端数学のトポロジーを応用したパーシステントホモロジーの連携により、世界一構造秩序のあるSiO2ガラスが形成するリング構造が、室温での圧縮で得られた同じ密度を持つSiO2ガラスと比べてより変形しているものの、Si原子同士がより規則正しく並んでいることを明らかにした。

京都大学によると、今回の発見は、新規高屈折率ガラスや高強度ガラス、高性能光ファイバーの合成への応用が期待できるという。

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