ジェイテクトは2021年10月12日、同社の「トルセンLSD Type-B」(冒頭の画像左)、「トルセンLSD Type-C」(同中央)、「第3世代円すいころ軸受ハブユニット」(同右)が、2021年8月に発売されたトヨタ自動車の新型「ランドクルーザー」に採用されたと発表した。
トルセンLSDは、自動車の旋回時に左右輪や前後輪のトルクを最適に配分する駆動装置であるLSD(リミテッドスリップデフ)の一種だ。
トルセンLSD Type-Bは左右輪のトルク配分を行うもので、開発品は潤滑孔を最適化して耐久性を向上させた。トルセンLSD Type-Cは前後輪のトルク配分を行うもので、四輪駆動車のセンターデフに搭載される。開発品は、従来品と比較して小型かつ軽量となった。
ハブユニットは、車輛とタイヤを繋ぐホイール部に用いる部品だ。走行中に車の重量を支えるほか、外部からの負荷を受けながら円滑にタイヤを回転させる。
第3世代円すいころ軸受ハブユニットでは、軸受とハブシャフトが一体化している。軸強度が向上したほか、前世代品と比較して11%軽量化した。また、外輪印ろう外径も前世代品より5%小型化している。さらに、低トルクグリースやシールリップ形状を最適化しており、トルクを16%低減した。
また、ブレーキを踏んだ際の車体振動やブレーキペダルの前後振動を防止すべく、フランジ振れ精度を向上させた。
ジェイテクトによると、第3世代円すいころ軸受ハブユニットは、今回が国内初の採用事例および量産となるという。自動車メーカー各社への拡販を進め、2030年の売上高で120億円を目指す。