超柔軟材料への金属配線技術を確立──多機能ウェアラブルデバイスへの応用に期待 横浜国大

横浜国立大学は2022年1月31日、液体金属を使った超柔軟材料への金属配線技術を確立したと発表した。

近年、ゲルや生体組織などの超柔軟な材料へのデバイス設置実現のための方法として、生体適合性が高く抵抗値変化が小さい液体金属を用いることが考えられてきた。しかし、従来の方法では超柔軟材料の任意の非平面基板に、液体金属で複雑な回路を形成することができないという課題があった。

今回、液体金属が配線されたPVAフィルムを基板上に配置し、そのフィルムを水で溶解させることで超柔軟材料へ液体金属の配線を転写する技術を開発した。

配線できる最小線幅は約165μm。ゲルのファイバー状にしたり二重構造にしたりすることで、らせん配線や立体配線も作製できる。腕に張り付けた状態で温度測定できたり、ラットの迷走神経の電極として使用できることを実験によって確認した。

液体金属配線技術を用いた応用
a:ラットの迷走神経に配線した液体金属の写真
b:腕に取り付けたゲル基板上に温度測定デバイス
c:作製したデバイスの上面図とデバイスの断面構造を示す回路図

今後は複数のシステムを1つのデバイスに統合して、より柔軟な多機能ウェアラブルデバイスを作製する予定だ。また、生体組織への液体金属配線を応用して、健康状態を計測できるインプラントデバイスの開発も期待できる。

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