3Dプリンティング技術で自動車部品の製造コストを80%削減可能であることを実証 独フラウンホーファーIAPT

© Fraunhofer IAPT

独フラウンホーファー研究機構付加製造技術研究所(以下、フラウンホーファーIAPT)は、3Dプリンティングを念頭に置いて設計し最適化することで高級スポーツカーのドアヒンジ製造コストを全体で80%削減できることを実証したと発表した。

スポーツカーのドアヒンジ再設計プロジェクトを実施したフラウンホーファーIAPTの技術者らは、まず、ドアヒンジの部品の中で適切なものを特定し、3Dプリントする際に最適な向きを決定した。必要なサポート構造の数を最少限にする一方で、ビルドプレート上の部品の数は最大限に増やし、部品の向きについて最適化しない場合と比較してコストを15%削減した。

次に、ドアヒンジの構造を最適化し、力が加わる必要な個所のみに材料を含む形状にしたことで、ドアヒンジアームの重量を35%削減することができた。これにより、材料の必要量が減るだけでなく、造形時間も短くなり、さらにコストがさらに20%削減できた。

また、設計でサポート構造の数を減らすことで、製造時間と材料の必要量が改善し、コストをさらに10%カット。加えて、3Dプリント用材料から最適の金属粉末を選択し、さらなる10%のコストダウンを実現した。

また、3Dプリントするドアヒンジのレイヤーを厚くするなど、付加製造プロセスのパラメーターを調整することでコストをさらに15%削減することが可能で、造形エリアでのネスティングや必要に応じてスタッキングするなど3Dプリンターの使い方を効率化することでさらに10%のコスト削減が可能としている。

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The “door opener” for 3D printing in automotive series production

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