- 2023-1-13
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- DAC(Direct Air Capture), Melis Duyar, カーボンニュートラル, サリー大学, ネットゼロ, メタン, 一酸化炭素, 二酸化炭素, 学術
カーボンニュートラルが取りざたされている昨今、大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する「DAC(Direct Air Capture)」という技術が、注目されている。さらに、回収したCO2を用いて有用な化学物質を製造する技術の開発も進められている。DACは、回収したCO2を利用する施設に隣接して作ることで、CO2の輸送コストをなくすことができるといったメリットがある。
今回、サリー大学の研究により、大気からCO2を回収し、通常は化石燃料から作られる有用な化学物質に再利用できることが分かった。同技術によって、1回の循環プロセスで、CO2の回収と一酸化炭素やメタンなどの有用な化学物質への転換の両方が可能となる。
サリー大学化学工学部上級講師のMelis Duyar博士は、「大気中のCO2を回収して有用な製品に直接転換することは、化学分野におけるカーボンニュートラルに近づくために必要なことです。イギリスが2050年のネットゼロの目標を達成する上で、これは大きな一歩となりえるでしょう」と説明した。
同技術は、特許出願中の切り替え可能な複機能物質を使用し、物質表面でCO2を捕捉し、CO2から他の化学物質に直接変換する反応を触媒する。複機能物質の切り替え可能な性質は、稼働条件や追加の反応物組成に応じて、複数の化学物質を生成する能力に由来している。つまり、同技術は反応物質である水素の利用できる度合や化学物質の需要の変動に適応できることを意味する。
Melis Duyar博士は、「現在の化学物質の製造方法は、持続可能ではない化石燃料に依存しているため、私たちはこれまでの思考から脱却する必要があります。本技術により、CO2排出量を大幅に抑えて化学物質を供給でき、化石燃料に代わってCO2と再生可能な水素を他の重要な化学物質の構成要素とすることができます」と付け加えた。
同研究は、化石燃料を使用しないカーボンニュートラルな燃料や化学物質の製造方法を実証しただけでなく、地球温暖化の原因となる増え続けるCO2に直接対抗する技術として期待できる。
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