帆船のような硬翼帆「VentiFoil」を持つ、ディーゼルエレクトリック貨物船

オランダの造船会社Holland Shipyards Groupは2022年12月20日、ディーゼルエレクトリック方式の推進システムを採用した多目的貨物船(Multipurpose Vessel:MPP)の建造を受注したと発表した。発注元はオランダの海運会社Hartel Shipping & Charteringだ。

MPPの寸法は、全長89.42m、全幅13.20m、載貨重量は3800トン、積載可能容積は5530m3だ。MPPの主動力源は、ディーゼルエンジンで発電機を駆動してモーターに給電する、ディーゼルエレクトリック方式を採る。制動出力374bkWの電動モーターを2基搭載し、トータルの出力は749kWになる。

この主動力源は、積荷、水位、航路それぞれの状況に応じてスクリューの回転数を制御し、燃料消費量を最大35%削減する。さらに、「硬翼帆」と呼ばれる翼型の帆である「VentiFoil」を船体の前方に2基設置して、風力による補助推進力を得る。VentiFoilによって同船はさらに8~12%、効率を改善するという。

同社のプレスリリースは、受注の意義を近海輸送のマーケットへの復帰と位置づけているほか、フェリー、内陸水運、作業船以外のセグメントに商機を拡大していく意向を説明している。

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