- 2023-2-22
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- HyFlyer II, TPE-331エンジン, ZeroAvia, コッツウォルズ空港, ゼロエミッション, ドルニエ228, ハネウェル, リチウムイオン電池, 双発機, 水素タンク, 水素燃料電動パワートレイン, 水素燃料電池, 燃料電池発電システム, 航空宇宙技術研究所(ATI)
航空機開発のスタートアップ企業であるイギリスのZeroAviaは2023年1月19日、水素燃料電池を動力とした航空機としては過去最大という、19人乗りの「ドルニエ228」を使った初飛行に成功した。
この実験用にセットアップされた双発機は、グロスターシャー州のコッツウォルズ空港にある同社の研究開発施設から飛び立ち、10分間の試験飛行を実施した。右翼はハネウェル製TPE-331エンジンのまま、左翼には水素燃料電動パワートレインのフルサイズの試作品を搭載した。今回の試験構成では、2台の燃料電池セルスタックとピーク出力を補うためのリチウムイオン電池を搭載し、水素タンクと燃料電池発電システムはキャビン内に設置されている。商用化構成時には外部ストレージを使用し、キャビン内のシートは元に戻される予定だ。
この飛行は、イギリス政府の航空宇宙技術研究所(ATI)が支援する主要な研究開発である「HyFlyer II」プロジェクトの一環として行われた。同プロジェクトは、9〜19人乗りの航空機のゼロエミッション化をサポートする、出力600kWのパワートレインの開発を目標としている。
今回の試験飛行では、すべてのシステムは想定通りに機能した。この600kWパワートレインは同社としてこれまで最大のものだが、この実験が成功したことで出力2〜5MWパワートレインに向けた技術開発が加速することが期待される。今後は90人乗りの実証実験機への搭載を目指し、クリーンエンジン技術の開発を適用拡大していく予定だ。