小型、高出力な力触覚提示用3次元振動モーターを開発――3次元上のあらゆる方向に振動 名古屋大学

名古屋大学大学院工学研究科の部矢明准教授らの研究グループは2024年8月22日、次世代の力触覚インターフェースとしての活用に向け、3次元振動モーター「XReactor(クロスリアクタ)」を発表した。3つのコイルだけで、3次元上のあらゆる方向に振動する高出力でコンパクトな力触覚提示用3次元振動モーターとなる。

近年、メタバースやVR、AR、MRコンテンツでの手触り、反力感などの力触覚体験を実現するため、振動デバイスが注目されている。人は現実世界では3次元の複雑な力触覚を指先で感じているため、仮想空間でも3次元の力触覚提示が理想となるが、一般に振動デバイスは1軸振動しかできず、3次元振動は難しい。3次元振動を実現するには、少なくとも3つ以上の振動モーターを組み合わせる必要があり、振動中心のずれや、大型化、重量増加が課題となっている。

研究グループは、1台で3次元振動が可能な3次元振動モーターを提案した。これは、振動子に対して3コイルが内から外へ重ねて巻かれており、各コイル通電時に生まれる永久磁石との磁気吸引、反発力であらゆる方向へ振動する。

振動子は1つのみで、ばねで支持することで3次元動作を実現している。3つのコイルと6つの永久磁石を用いた少数部品で構成し、小型/軽量化に有利となる。試作機は20×20×20mm、重さ34.5gとなった。また、永久磁石を外側に配置し、磁石体積を大きく取ること、振動子に対して直接3コイルを重ねて巻くこと、コイルの巻き数を多く取ることで、従来モデルより高出力化している。

新開発の3次元振動モーターは全ての振動利用機器を3次元振動化でき、さまざまな新サービスやシステムの創出が期待される。

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メタバース空間で”触感”を得られる次世代デバイス! 小型・高出力な力触覚提示用3次元振動モータを開発 – 名古屋大学研究成果情報

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