- 2024-9-5
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カナダ・ブリティッシュコロンビア大学は2024年7月30日、同大学の研究チームが、可視光を99%以上吸収する超黒色材料へと木材を加工する方法を発見したと発表した。
通常の黒色塗料は光の約97.5%を吸収するのに対して、超黒色材料は光の99%以上を吸収できる。天文学の領域では、機器への超黒色塗布により迷光を低減でき、より鮮明な望遠鏡の画像を得られるため、超黒色材料の需要が高まっている。また、太陽電池の効率向上に使用できるほか、芸術品や時計のような高級品の製造にも使用できる。
研究チームは、木材に撥水加工を施すプラズマ・エッチングの実験中、木材表面が極端に黒くなるのを偶然発見した。米テキサスA&M大学の研究チームが同材料を調べた結果、可視光を1%未満しか反射せず、ほぼ全ての光を吸収していると確認した。
同発見を機に、研究の焦点が超黒色材料の設計へと移行した。導電性を付与する実験では、同材料と金を混ぜても、黒色を維持することが分かった。同材料の黒色は、色素によるものではなく、光を閉じ込める構造によるものだ。
研究チームは、ギリシャ神話の夜の女神Nyxとギリシャ語で木材を意味するxylonに因んで、超黒色材料を「Nxylon」と命名して商標登録した。起業を目指し、現在デザイナーと協力して超黒色材料を用いた製品を開発しており、時計や宝飾品に焦点を当てている。Nxylonは、黒檀(こくたん)や紫檀(シタン)のような時計の文字盤に使用する高価で希少な黒色木材や黒色宝石のオニキスの代替材料として期待できるという。
研究チームは、無反射天井や壁用タイルに適した、より大きな超黒色木材サンプルを生産するため、商業規模のプラズマ反応炉の開発も計画している。
同研究成果は2024年6月16日、「Advanced Sustainable Systems」誌に掲載された。
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