グッド・ヴァイブレーション――指先の振動を検知する新しい生体認証技術「VibWrite」

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木製テーブルとドアにセットされたVibWrite実験システム

ラトガース大学とアラバマ大学の研究チームは、指紋や虹彩ではなく、手の指の振動特性を利用して本人認証を行う技術「VibWrite」を開発した。この技術は、家の扉や車のドアなど、どんな表面でもセンサーにすることができるので、非常に安価な生体認証システムを実現できる可能性がある。この研究成果は、10月30日から11月3日までダラスで開催された「ACM Conference on Computer and Communication Security」で発表されている。

VibWrite技術は、振動モータと圧電素子、信号増幅モジュールで構成され、振動モータは、人間が体感できない低振幅の振動で検知領域表面を20kHzで振動させている。人の指が領域表面をタッチすると振動数が変化するが、この変化は個人に固有な身体的な特徴や骨の構造に依存し、かつ特定のパターンをなぞらせる際に加える力といった個人の行動的特徴に依存するという。この振動数変化を記録/解析することで本人認証を行うものだ。

アラバマ大学バーミンガム校コンピュータ科学科のNitesh Saxena准教授は、VibWriteの特長について、「指紋認証リーダーやカメラなどのハードウェアを必要とせず、どんな表面にでも低コストで組み込めるシステムだ」と説明する。50ドル以下で買えるモータとセンサーを使用するVibWriteは、既存の指紋/虹彩認証システムよりも安価だ。

木製テーブルを用いた実証実験では、PIN番号や鍵パターン、特定模様を描く被験者を、95%以上の精度で特定できた。研究を指導してきたラトガース大学電気コンピュータ工学科のYingying Chen教授は、「最終的にはドアに名前をサインするだけでアンロックできるのが目標だ」と語る。

研究チームは、認識成功率を向上させるとともに、様々な温度、表面状態、湿度等など広範囲な条件で試験し、商業化を目指すことを考えている。Saxena准教授は、「この技術はプロトタイプ段階でシステムの精度向上が必要だが、商業化できるのは間違いない」と期待する。近い将来、建物や車のドアをノックやサインするだけで中に入れるようになるかもしれない。

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