米SLAC国立加速器研究所、世界で最も強力なX線レーザー照射に成功

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SLAC National Accelerator Laboratory/YouTube

米SLAC国立加速器研究所は、2023年9月18日、世界で最も強力なX線レーザーの照射に成功したと発表した。世界一強力なX線レーザーを照射したのは、同研究所のX線自由電子レーザー（XFEL：X-ray Free Electron Laser）施設「LCLS（Linac Coherent Light Source／リニアックコヒーレント光源）」をアップグレードした「LCLS-II」だ。

初代のLCLSが初めてXFEL生成に成功したのは2009年4月のことだ。XFELを使えば、これまで観察できなかった分子や原子、電子の瞬間的な挙動を観察できるようになり、量子物質からクリーンエネルギー技術、創薬に至るまで、幅広い分野への応用が期待されている。

2009年の段階で生成したX線パルスは従来のものと比べて10億倍明るく、1秒あたりのX線パルス発生数は120回だった。LCLS-IIでは、平均で明るさがLCLSの1万倍となり、1秒あたりのX線パルス発生数も飛躍的に向上し、最大でLCLSの8000倍以上となる100万回発生させることも可能となった。

米エネルギー省のJennifer M. Granholm長官は、LCLS-IIによる照射光で宇宙における最小かつ最速の現象を明らかにすることで、「人間の健康から量子物質科学の領域に至るまで、大きな発見につながるだろう」と期待を示し、このプロジェクトに携わったSLACの研究者や技術者らに賛辞を送った。

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SLAC fires up the world’s most powerful X-ray laser: LCLS-II ushers in a new era of science | SLAC National Accelerator Laboratory